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月光散歩メルマガで配信させていただいた自作から、ぜひメルマガを読んでおられない方にも、
詩を味わって欲しいと思います。感想などございましたら、こちらへ。

「夜の呼吸」

つもる心がかたくなり おたがい雪の冷たさで とける空のあめ

つたなくなぞるガラス窓 ひんやり冷たい空の水

いつもいつもずっとみてた いつもいつもずっとまってた

いつしか声も枯れていく そして降り雪つもる赤の屋根

手つないで歩く夜の空 カラスさえも声こごえ 空にはひとつも星がない

見下ろす屋根に降り立てば そっとつむる瞳

これもあれもと夢ばかり 夜の月だけ真実で

きっと忘れはしない 夜の呼吸

「桜音」

桜の音の褪める日も 夜毎に舞い飛ぶ並木風

つつつる つつつる 雨のあと

おちゆる 小枝のゆらゆらと

夜道歩くと鈴がなる つりる つりると鳴る靴音

はしゃいでかけてく風のよう 

私の今日のお土産は この桜の破片にしよう
「行道」

ぽたん と おちる 水滴に 

光る日差しの射す頃に

私は いつも 歩き出し とまどい 不安に なりながら

すいつく肌のつめたさに 涙こらえて 歩き出す

誰もが通った道なのに 誰も通らない道で

私は とまどい 右往左往  こおりつく道をゆく

固い 木の葉の蕾の様に 私の心も固くなり

固い水の 中の様に 私の 前も こおりつく

ぽたんと こおる 水滴に まばゆい 光の 道 だけど

私の一歩が 道になる
     各詩の案内

「夜の呼吸」は「飛ぶ宝石」というoekakibbsで
連載されていた和めるコミックの中で、空を飛ぶ
シーンを切り取って。自分流にアレンジしました。

「桜音(さくらね)」は、桜の芽吹きがまだなのに、
まちわびて、書きました。少し寒いけれども、ほん
のりとあたたかい、そんな季節感を出しました。
伝わっていますか?(笑)

「行道(こうどう)」は、私の中の人生観?のような
感じで書きました。けれども、出来上がってくると
まるきり、違っていました。雰囲気としては、最後
が前向き?っぽいです。私は高村光太郎の「道」
の有名な一文「ぼくのまえには みちがある 
ぼくのあとには みちはない」(原文ではない。)
が気に入りまして、いつかそんなリズムの詩が、
書けたらなあと思っていたので、そんな感じになっ
ているのかもしれません。リズムが好き。


「雲かすかに」は、新潟県地震の被害者の方や、
他の災害にあわれた方への慰霊、または慰労の
思いをこめた詩です。そっと見守っているよという
メッセージを、「なくなった私」のイメージに重ねま
した。皆様の癒しにつながればと思います。
慰霊のために詩を書くのがあっているのかもと、
感じました。

        


「雲かすかに」

雲のゆれる 秋の日に 私の姿が きえてゆく

雲のかすかに うつる 川面に 

雲のかすむ 山のふもとに

私の頭に 私の手に 私の肩に

雲がつもる そして私も消えてゆく

雲もふるえる 秋の日に 私の姿もきえてゆく

風のふるえる 冬の日に 私の姿もきえてゆく

そうして 私は 雲になる

そうして 私は 雪になる

雪になっても わすれない

私の家族を わすれない

風になっても おぼえておいて

そうして 雪ふる日には こっそり

私の家に 雪がふる


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