月光散歩メルマガで配信させていただいた自作から、ぜひメルマガを読んでおられない方にも、
詩を味わって欲しいと思います。感想などございましたら、こちらへ。


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「空の手紙」

風の便りに 貴方の事を 聞きました

遠い遠い空の下 耳澄ませて 空に聞きました

雨降る夜にも 風吹き落ちる 声の音

空の便りに 貴方の事を 聞きました

遥か彼方(かなた)の彼方(あなた)の空に

雪降る朝にも 雨降り零す 涙の音

空の便りに 彼方の事を 聞きました

きっときっと 眠る貴方の傍にも 落ちている 空の手紙

「空ゆく雲に」

空ゆく 雲に 伝えたい 私の 居場所を 伝えたい

空見上げても 唇にゆれる風の 冷たさで

思わず背を向けてしまっていた 過去の私

雲ゆく 空に 伝えたい 私の 気持ちを 伝えたい

空見上げても 目蓋にゆれる風の 柔らかさ

思わず目を伏せて 何も言わなかった 過去の私

空ゆく 雲に 伝えたい 私の 命を 伝えたい
「さらさら響く」

  かしゃんとかじった林檎のかおり

  さらさらと飲む飲み物の青

  さらさらと体内へと流れ落ちてゆく

  さらさら響く 夢の香りが

  さらさら響く 町の明かりが

  まだ、みな夜更けの灯りだが、朝になると

  おきだすだろう

  木が、森が、林が、緑が。

  人が、犬が、猫が、鳥が。

  太陽は目覚めて微笑み、風は歓喜の笑い声

  そんな夜明けに一人きり

  さらさら響く さらさらと響く

  私もまた眠るだろう。
     各詩の案内

「空の手紙」はメルマガで詩を書く時の姿勢を、
ほのめかす(笑)詩です。

「空ゆく雲に」は、時折ふと自分の命、人生の事
を考えたり、感じたりしていて、これまで思ってい
たことを書きました。

「さらさら響く」は私が、卒論を書いている時に、
夜が更けてしまい、朝になった時に、感じた事を
詩にしました。とても気にいっている詩です。

「雲かすかに」は、新潟県地震の被害者の方や、
他の災害にあわれた方への慰霊、または慰労の
思いをこめた詩です。そっと見守っているよという
メッセージを、「なくなった私」のイメージに重ねま
した。皆様の癒しにつながればと思います。

   
「雲かすかに」

雲のゆれる 秋の日に 私の姿が きえてゆく

雲のかすかに うつる 川面に 

雲のかすむ 山のふもとに

私の頭に 私の手に 私の肩に

雲がつもる そして私も消えてゆく

雲もふるえる 秋の日に 私の姿もきえてゆく

風のふるえる 冬の日に 私の姿もきえてゆく

そうして 私は 雲になる

そうして 私は 雪になる

雪になっても わすれない

私の家族を わすれない

風になっても おぼえておいて

そうして 雪ふる日には こっそり

私の家に 雪がふる


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